【新刊】みんなのPython第五版(二刷),Pythonで学ぶはじめてのプログラミング入門教室などの著者。大手予備校をはじめ機械学習講師。たまに企業や学会,技術イベントに呼ばれてお話しします。

「AIで映画を作れる」ことと、「AI映画を観たい」と思わせることは別だった。 中国で初めて劇場公開許可を得た「全編AI生成」の長編映画『Sanxingdui: Future Past』が、興行的に厳しいスタートを切った。古代の三星堆文明と未来世界を組み合わせたSF作品で、キャラクターや背景、音声などに生成AIを活用。制作費を抑えながら長編映画まで作れること自体は、AI映像制作の大きな到達点だった。 ところが、公開初週末の興収は制作費を大きく下回った。ここで見えてきたのは、AIが制作工程を効率化できても、それだけでは映画の商品価値にはならないということだ。観客が料金を払うのは「AIで作った映像」そのものではなく、物語やキャラクター、演出、そして誰かに薦めたくなる体験だからだ。 一方、中国ではAIを使った短編動画やドラマの大量生産がすでに急速に広がっている。短尺で、安く、早く、大量に作る市場ではAIの強みがそのまま競争力になる。しかし100分前後の映画に観客を引きつけ続けるには、制作コストとは別の力が必要になる。 hollywoodreporter.com/movies…
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つまり今回の苦戦は、AI映画そのものの失敗というより、AIが得意な市場と、まだ人間の創作力が強く求められる市場の境界が見えた出来事なのかもしれない。
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「インターネットは救うべきではない。一度、死なせたほうがいい」——WIREDがかなり過激なことを言い始めた。 現在のネットは、巨大プラットフォームのアルゴリズム、広告、インフルエンサー経済、炎上商法によって「人間が交流する場所」から「注意を収益化する装置」に変わった。そこへ生成AIが入り、大量・低コストのコンテンツ=slopを供給することで、その傾向を一気に加速させた。著者は、いまネットを眺めても「保存する価値のあるもの」が以前ほど見つからない、とまで評する。 ただし記事が面白いのは、AI以前のネットを単純に理想化していない点だ。John Westの著書『The Internet Will Die, and So Will You』を手掛かりに、そもそもインターネットは永続的な「人類の記憶装置」ではなく、サービス終了、リンク切れ、ドメイン失効などによって絶えず消滅と再生を繰り返してきたと指摘する。NYTimesの記事に含まれるリンクの25%がアクセス不能だったという研究や、Wikipediaの半数以上の項目にリンク切れがあるという調査も紹介される。 だから必要なのは、現在のネットを必死に延命することではない。 wired.com/story/let-the-inte…
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鍵になるのは、AIを止めることではなく、巨大SNSから人間が離れることだ。 WIREDが描くのは、生成AIによってネットが突然壊れた未来ではない。広告、レコメンド、炎上、インフルエンサー経済によって、すでに「人間が交流する場所」から「注意を収益化する装置」へ変わっていたネットを、AIがさらに加速させた世界だ。AI slopが問題なのは、それ自体が粗悪だからというより、人間の注意を奪うゲームにおいて圧倒的に安く、大量生産できるからだ。 そこで記事が示す出口が、巨大SNSの改善ではなく「退出」だ。
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アルゴリズムに最適化された場から人間が注意を引き揚げ、個人サイト、小規模コミュニティ、ニュースレター、フォーラムのような、収益化圧力の弱い場所へ移る。GeoCitiesや初期Tumblrのような雑多で非効率な空間こそ、次のネットの原型になり得るという。 重要なのは、これは懐古趣味ではないことだ。巨大SNSでは、人間の投稿もAI生成物も同じ「エンゲージメント商品」として競争させられる。しかもAI側は疲れず、無限に投稿できる。人間がそこで勝とうとすれば、結局は人間自身もAIのように、速く、多く、刺激的に振る舞うことを要求される。
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Brotliの重大な脆弱性HTTP2Shellを調べていたBugsinkのKlaas van Schelven氏が、そのコードをさらに過去へ追跡したところ、興味深い事実に行き着いた。HTTP2Shellが成立する以前のBrotliにも、別種の危険なメモリ読み出しが存在していたという。 Brotliのデコーダは、metablockの出力上限が16MiBなので、block-switch用カウンタも事実上尽きないと考えていた。ところが「出力を生成しないcommand」を大量に与えると、出力量を増やさずカウンタだけを減らせる。つまり、コード上では十分大きな値でも、攻撃者にとっては「無限」ではなかった。 問題は、そのカウンタがゼロになった先にある。block typeが1種類しかない場合、本来switching tableは作られない。それなのに古いBrotliでは、その存在しないはずのtableを読み出す経路へ到達できた。最初のmetablockなら未初期化の`malloc`領域を、以前に複数block typeがあれば過去のtableを読む。後者は攻撃者が前のmetablockで内容を仕込めるため、現在は存在しないblock typeを参照させ、context mapの範囲外読み出しまで引き起こせる。 そして2018年、Brotli 1.0.3につながる変更で、この経路を止めるguardが追加された。ところが後にHTTP2Shellでは、そのguardが返す値を「入力不足」と誤解して再試行する処理が、別のバッファオーバーフローにつながる。古い脆弱性を塞いだ防御コードが、後の脆弱性チェーンの部品になったという、なかなか強烈な構図だ。 bugsink.com/blog/brotli-stal…
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さらに興味深いのは、開発者が当時どこまで問題を理解していたのか分からないことだ。同じ変更でカウンタは2^28からむしろ2^24へ縮小されている。著者は、もしカウンタ枯渇を認識していたなら、「十分大きな数字」を調整するより、block typeが1種類ならそもそもblock-switchのカウンタを減らさない設計の方が自然だったはずだ、と指摘する。
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かつて民主党寄りだったシリコンバレーは、トランプ政権への接近によって自ら政治的な立ち位置を変えた。その結果、いまやAI企業にとって最大のリスクは、技術競争だけでなく「次に誰が議会を握るか」になりつつある。 2026年中間選挙で民主党が議会多数派を奪還すれば、シリコンバレーには大規模な議会調査が待つ可能性がある。対象はトランプ政権との関係や政治献金だけではない。AI安全性、政府契約、データセンターによる電力・水消費、雇用への影響、アルゴリズムを使った価格設定まで、テック企業の事業モデルそのものが調査対象になり得る。 ここで効いてくるのが、AIを「生活コスト」の問題として語る民主党の戦略だ。データセンターで電気代が上がる、AIで仕事が減る、アルゴリズムで価格が操作される――こう整理すれば、抽象的なAI安全論よりはるかに有権者へ届きやすい。しかもこれらは共和党支持地域にも共通するため、AI規制が超党派のテーマへ広がる可能性もある。 企業側にとって厄介なのは、トランプ政権との関係強化が短期的には規制リスクを下げても、政権や議会の力関係が変わった瞬間に、その関係自体が新しいリスクになることだ。AI企業はデータセンターへ10年単位で巨額投資する一方、米国政治は2年ごとに議会の勢力図が変わる。片方の政党だけに近づく戦略では、長期投資を守りにくくなっている。 そして2027年以降の議会調査は、単なる過去の追及ではなく、2028年大統領選に向けた物語作りにもなる。 thehill.com/policy/technolog…
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そうなると、Big Techの競争力を決めるのはモデル性能やGPUの数だけではない。どちらの党が権力を握っても事業を継続できる政治的な耐久性が、新しい経営資産になる。シリコンバレーがこれから直面するのは、AI規制そのもの以上に、AIが選挙で「巨大企業対生活者」という物語に組み込まれるリスクなのかもしれない。
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「中国に勝つためAIを加速する」という主張に対し、民主党が「その利益を得るのは誰で、コストを払うのは誰なのか」と問い返せば、AI政策は産業政策から生活者の政治へ変わる。
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MongoDBに眠るJSONを、そのまま「自社専用AI」の教師データにでき、しかもLLMを毎回呼ぶ必要はない、という話。 Voyage AIが紹介するのは、MongoDBなどに蓄積されたJSON文書全体をEmbeddingし、そのベクトルをXGBoostやRidgeなど従来型MLへ渡して予測する方法だ。たとえば過去のサポートチケットに「優先度」が付いていれば、それを教師データとして、新しいチケットの優先度を予測できる。テキストだけでなく、数値、リスト、ネストしたオブジェクトまでまとめてベクトル化できるため、JSONを表形式へ無理にフラット化し、大量の特徴量設計をする手間を減らせる。 記事では50の実データ予測タスクを評価し、生のフィールドだけを使う場合と比べ、voyage-4-nanoのEmbedding追加でエラーが37%減、JSON向け実験モデルvoyage-jsonでは44%減った。分類29タスクでもvoyage-jsonは平均AUROC 88.3を記録。つまりEmbeddingを「類似文書検索のための技術」ではなく、半構造化データを機械学習へ渡す汎用特徴量抽出器として使えることを示している。 ここで面白いのは、AI機能なのに中心にLLMの推論がないことだ。構成は極端に言えば、JSON → Embedding → XGBoost / Ridge → 予測。Embeddingは一度計算すれば再利用でき、予測自体は軽量なモデルで高速に回せる。コミュニティ製の「mongo-predict」を使えば、MongoDBのAggregation Pipelineで`$predict`するような感覚にまで落とし込める。 blog.voyageai.com/2026/10/27…
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「国民のゲノムデータを持っていると、医療はどこまで変わるのか」。エストニアが、その答えを国家制度で示し始めた。 エストニアは2026年11月から、40歳になる女性全員を対象に乳がんの遺伝的リスク評価を始める。約3,000の遺伝的変異を組み合わせたポリジェニック・リスク・スコア(PRS)を算出し、平均的な50歳女性と同程度以上のリスクがあれば、通常50歳からのマンモグラフィーを40歳から始める。2025年の約1,000人規模の実証を経て、約1万人を対象とする全国制度へ拡大する。 これは単なる「遺伝子検査の導入」ではない。これまで年齢という一律の条件で決めていた検診開始時期を、一人ひとりのリスクに応じて変える。精密医療が、発症後の治療選択だけでなく、誰に・いつ医療資源を投入するかという予防医療の設計そのものへ入り始めた。 特に大きいのは、PRSという研究上の指標が、行政サービスの分岐条件になることだ。エストニアは人口の約5分の1に相当するゲノム情報をバイオバンクに蓄積してきたが、価値が出るのはデータを持っていること自体ではない。本人同意、医療記録、検査、フォローアップまでつながって初めて、ゲノム情報が国家の医療インフラになる。 news.err.ee/1610180155/eston…
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つまり注目すべきなのは、遺伝子解析の精度競争だけではない。医療制度が「全員に同じルール」から「個人ごとの確率に応じたルール」へ移るとき、誰がその境界線を決め、どう説明するのか。 エストニアの試みは、個別化医療が技術の問題から制度設計の問題へ移ったことを示している。
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一方で、PRSは「乳がんになるかどうか」を当てる診断ではない。高リスクでも発症しない人はいるし、低リスクでも発症する人はいる。さらに、リスクを見つけてもその後の医療体制がなければ意味がないため、エストニアも他疾患への展開には慎重だ。
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柴田 淳 - 「みんなのPython」の著者・機械学習講師・シニアアーキテクト retweeted
We lost one of the greats of stage and screen today. And, in my book, a tremendous friend and man. I learned so much from him. I will miss you, Patrick Stewart, all of my days. @mang0ld
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