全く馴染みのない地域の人からすると、だんじりなんて「なんでやってんのこんな危ない祭り?やめちまえよ」と思うかもしれないけど、俺は昔、岸和田のある町で綱長をしてる奴に無理やり祭りの予行練習らへんの日に連れて行かれたことがあって、その時にあいつらの次元の違う気合いの入り方を知り、人命が失われてもやめるはずがないと確信している。
まず、あいつらは生まれてからずっと祭と共に生き、そして死ぬのが宿命みたいな人生。だから前提として祭で死ぬこと自体「仕方ない」って感覚なんだと思う。子どもの頃から祭に触れ、祭が全てで、だんじりの新築のために個人で何百万円も借金することもある。
俺が一番こいつらはヤバいなと思ったのは、町のTSUTAYAに行った時。当時まだTSUTAYAでDVDを借りるのが当たり前の時代で、綱長が何かDVD借りて家で観ようと言い出したんですけど、人気ランキングが20位くらいから1位まで全部だんじりのビデオなんですよ。綱長は俺に真顔で「94年が一番ええんよ」とロマネコンティでも紹介するように手に取って見せてくれたことを今でも覚えている。
ハリーポッターとか洋画の人気コンテンツは全く見当たらず、TSUTAYAにだんじりビデオがならぶ町岸和田。これはもう外野が何を言っても意味がない。マジで価値観とか死生観が根本的に違う。