高市早苗総理がニューヨークの国連総会で「旧敵国条項の削除」を求める演説をされた。そこで、なぜこの演説が歴史的に素晴らしいのか説明したい。
実は、国連憲章には「日本を侵略してもペナルティはない」と解釈できる条文がある。第107条などだな。それを削除するように求めたんじゃ。
でも、この敵国条項は1995年の国連総会で「死文化」が決議した。死文化とは、記載しているが効力はない、というものだな。
実は、国連憲章とは「条文に書いてあっても決議で意味を修正できる」という性質をもつ。
その代表例が、常任理事国は「中華民国」と国連憲章に書いてあるが、
1971年のアルバニア決議(国連総会決議第2758号)で、これを「中華人民共和国と読み替える」ことが決まったことじゃ。
なので、現在、中華人民共和国などという国名は国連憲章に存在しないが、この国が常任理事国の一つとなっているわけだな。
しかし、最近、とんでもんないことが起きている。
中国の駐日大使の呉江浩(当時が)「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と主張し、
事実上の核攻撃を示唆する事件が起きた。
現在の中国は台湾沖縄を支配する意図を隠さず、日々、軍拡をしている。
ここにきて、中国が「日本は国連憲章敵国条項によっていつでも攻撃できる(攻撃を制限できない)」との趣旨の主張を繰り返すようになった。
実際、戦争自体は国連憲章で認められた「権利」の一つであり(日本人の感覚からすると驚く方もいるが)、国連憲章第51条で「自衛権」が認められているわけだが、
戦争にはそれなりの理由がいるし、国連の介入規定もある。
けれども、敵国条項(日本、ドイツ、ブルガリア、ルーマニアなど)第二次世界大戦で、連合国の敵だった国に対しては「無制限攻撃」の規定があった。
これっておかしいよな?
敵国条項は国連決議で死文化された。でも、中国は「条文自体はまだある」という。
しかし、国連憲章に中華人民共和国は存在しない。あくまで国連決議で「読み替え」をした。
そう、現在の中国の主張は、矛盾を抱えている。
あっちの国連決議は無効で、こっちの国連決議は有効だとする理屈だ。
今回、高市総理は、「条文そのものの削除」を主張することで、中国による侵略戦争を抑止する平和への希求をした。
第二次世界大戦当時の対立構造はもはや現在の地球にはない。それどころか、法の支配、基本的人権の尊重という「価値観」を共有できない国々が、非道な行為を繰り返している。
今年1月、イランは自国民を数万人単位で殺害したが、国連総会に代表が出席している。それを非難したのはトランプ大統領だけだった。
一方で、イスラエルなど自国民の幼児や女性が拉致されたのでその奪還作戦をしたところ、
ICC(国際司法裁判所)の赤根所長は、「女性や子どもを救出する作戦でガザ地区で軍事行動をすることは犯罪だ」としてネタニヤフ首相に逮捕状をだすなど、
「価値観の対立軸」が明白化している。
この情勢で、一寸たりとも、侵略戦争の口実を与えないため、国連憲章から敵国条項の削除を求めた高市総理の姿勢は、
日本の国益のみならず世界の平和を求めるものであった歴史的評価ができよう。
ここでな、ワシは疑問に思うんじゃ。
ロシアと中華人民共和国が国連のメンバーだなんて国連憲章に書いてないぞ?
ソ連からロシアへの「常任理事国の地位継承」なんて決議すらない。
また、中華民国を中華人民共和国が継承したというが、中華民国の憲法を改正して中華人民共和国の憲法とした経緯はないし、そもそも中華民国の借金を継承して弁済した事実もない。
これは、「中露を国連から排除」または「新しい国際組織の設立」を議論する時代となっているのではないか、考えられる。
その対立軸は「人権」だよな。
いま、問題を起こしている連中は、明らかに人の命を尊重しない。簡単に殺してしまう。それが自国民であっても他国民であってもだ。
情緒が経験則より優先され、恣意的解釈で法が意味をなさない。
ロシアも「平和憲法」を制定している。でもウクライナ戦争は「戦争ではなく特別軍事作戦」だから憲法上問題はないとしている有様だ。
中国のチベット・ウイグルの問題も、強制収容所が確認されるなど「人権」という価値観を尊重できているか、否かという問題を軸に、
それを尊重すべき法を恣意的な解釈によって濫用していることによって、対立構造の本質が作られているようにワシから見える。
古代ギリシャで行われたペロポネソス戦争(紀元前431年~404年 アテナイのデロス同盟とスパルタのペロポネソス同盟の戦争)を記録した、
トゥキュディデス『戦史』にはこんなくだりがある。重要なヒントになるので引用するぞ。
"アテナイ人「この世の常として、正・不正が問題になるのは対等な力を持つ者同士の間だけであって、強い者は自らのなしうることをなし、弱い者はその甘受すべきことを甘受する」"
"メロス人「危機にあってなお公正・正義を訴える権利、たとえ厳密には成り立たぬ議論であっても、それを世に通用して利益とする権利を、壊さないように願う。もし、いつかあなた方が没落することがあれば、まさにあなた方自身がその報いを最も重く受け、世界に対する見せしめとなるのだ」"
つまりな、この対話は「不利な状況にあっても公正・正義を訴える権利」を尊重すべきだとする立場と、
「力の不均衡がある限り、公正は正義より優先される」という価値観の対立があったわけだ。
権利を普遍的なものとして尊重すべきか、それとも力関係という現実の前では権利の主張自体が無力化するのか。
まさに、いま中国・ロシアがやっているのは、「大国であれば小国の権利(人権含む)を尊重せずとも武力にまかせて圧倒できる」という「価値観」と、
ワシらに日本やアメリカのように、「力によって正義か否かを決める」のではなく「権利は公正に等しく尊重されるべき」という「価値観」が衝突しているわけじゃ。
ここがまさに「法の支配」に発展する概念なわけだな。
平和とは何か。それは人権が尊重され、法の支配がある「世界」だとワシは思う。
まずは国連憲章からの敵国条項の削除で現実的な平和を守れ!
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