🦆鴨の音『声の森』ふりかえり🦆
⚠️長文・ネタバレありです
昨日のうちに京都から東京に戻り、今日からまた次のクリエーションに入っています。
その前に改めて昨日終演した
#鴨の音 第六夜『声の森』について、お伝えできる範囲できちんと振り返りました。長すぎるのでお気をつけください。
主に、とてつもなく素晴らしかったキャストの皆様についてや、作品についても、演出家から見たポイントを語っていきます。内容に触れまくっているので、配信を前情報なしで楽しみたい方は終わってから読んでください!
⭐︎高橋李依さん
透き通った声と丁寧かつ大胆なお芝居で、元・恋人への未練を断ち切れない渚を演じてくださった高橋さん。セリフ一言ひとことに連なっている、隠された感情の線を一筆で引き当てていくような素晴らしい演技でした。
また、渚は葛藤しながらも物語を進めていかなければならないという、感情の整理がとても難しい役ですが、ナレーションと会話の切り替えがすさまじく、絵がわりもカット割もない朗読劇で何の違和感もなく「いま何が起こっているか」が声だけですんなり伝わってしまうという恐るべき特殊能力。座長としてグイグイと作品を引っ張っていただきました。水樹との電話の時、1トーン声が高くなってしまう渚に共感せざるを得ない……。洋太郎の時も1トーン上がってあげてよ!と思いたくなりますが、きっと等身大でいられるのであろう洋太郎と一緒に歩き出した渚を応援します。
⭐︎伊東健人さん
狂っちゃうほどメロすぎる理想の沼元カレ・水樹を演じてくださった伊東さん。あー言ってほしいことを全部言ってくれる。あーうん、これは渚も未練タラタラになるわ。仕方ない。と心底納得するお声と出で立ちで、本当にこちらとしてもありがたい限りでした(?)
伊東さんの脚本の読み込みや描かれていない部分の作り込みもハンパなく、生前の水樹と渚の幸せな関係が唯一描かれるランニングのシーンだけで、二人がどれだけ想い合っていたかが一発で想像できる仕上がりに。
「電話をかけるな」と伝えつづけ、断ち切れない想いも叶わなくて、渚からの最後のお別れの言葉を受け止めた水樹は一体どんな気持ちだったんだろう? 渚に優しい言葉をかけ続けていた彼の心の奥に焦点を置くと、物語の印象がガラリと変わりますよ。何度も視点を変えて観てください! あと、マイクアシスト、かっこよすぎましたね?
⭐︎斉藤壮馬さん
不器用だけどまっすぐで、渚への想いを愚直に伝え続ける洋太郎をとっても高度な技術で演じていただきました。愛ゆえにやや強引なところもある洋太郎に対する壮馬さんの第一印象は「この人、好きになれるかな…」だったようです笑
が、単純じゃない矛盾いっぱいの洋太郎を演じていただくうち、どんどん愛すべき憎めない洋太郎になっていく。さまざまな葛藤を経て最後に放たれるまっすぐすぎるセリフにキュンとした人だらけだったはずです。
そして実はこのお話、「夢幻能」というお能の形式(気になる方は調べてみてください)を演出の着想のひとつにしていたのですが、壮馬さんから「これ、能っぽいですよね?」とお伝えいただいた時にめちゃくちゃびっくりしました。そういった見識や視野の広さ・思慮深さが、素晴らしい演技を支えているんだなと感じたエピソードでした。
⭐︎中井和哉さん
稽古での中井さんとの最初の会話は「御手洗って何者なんでしょう?」でした。笑 御手洗さんに関する考察が稽古場でも盛り上がりまくり、人物像があらゆる方向に広がりまくったあと、中井さんが最後に選んだ演技を見て大納得。「これだ」と感じました。
脚本の吉田玲子先生も「中井さんが説得力を出してくれてすごく成立してた」と絶賛されていた。稽古場では「御手洗はおそらくこういう人だろう」というひとつの「方向性」のようなものは持っていますが、正解とは限らないので、あえてここには書きません!
皆様も、「御手洗は何者なのか?」という部分を考察しながら何度も楽しんでください。下鴨神社で、超常現象が今日も本当にどこかで起こっているかもしれない。あと、御手洗が糺の森の噂を語るとき、人間が恐怖する周波数を出し続けていてやばかった。
⭐︎日笠陽子さん
日笠さんには、佐倉綾音さん演じる6歳の息子・こうくんに電話し続ける母、泉を演じていただきました。何よりも圧倒的なリアリティ。
この人はここに存在していると信じられる声。吐息と声で感情の機微がうねり、ゾッとするような艶やかな危うさを兼ね備えてすらいる。今作の「Jホラー」的なじとっとした空気感を存分に醸し出してくださいました。
そして声の細さと太さ、0と100のレンジがえぐい。声帯ジャンプスケア。「夜の神社」というシチュエーションでの、あの演技はガチで怖すぎて震えました。その後、佐倉さん演じるこうくんがいい子すぎてまた震え、子の愛を受けた母らしく、二度目の別れを叫ぶ泉の決心にもう一度、震えた。三度震えた。
以上、演出家のふりかえりでした。ここまでで既に長文すぎますが、最後に、1年前ほど前『声の森』の初稿を読んですぐ岡本が興奮しながら吉田先生に送った文章を一部のみ、画像に貼っておきます。読んだ時の興奮が皆様にも伝えられたのではと感じています。
もちろん、一緒にあの場を作ってくださった皆様おかげで!
改めてご来場いただいた皆様。
素晴らしきキャストの皆様。
収録で出演くださった野沢雅子さん、銀河万丈さん、佐倉綾音さん、岸尾だいすけさん、皆口裕子さん。
作品やそれ以外の環境・空間を作ってくださった全てのスタッフの皆様。
朗読劇の土台を作ってくださったアンダーキャストの田部さん、尾高さん、高木さん、小野さん、林藤さん。
劇世界を作ってくれた音楽のサッカリンさん。
素晴らしい脚本を描いていただいた吉田玲子先生。
そして、今年も岡本を演出に抜擢くださった春口プロデューサー、池沢プロデューサー、本当にありがとうございました。
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では、またすぐに、日光東照宮で会いましょう🐈
次回!!来月だ!!
READING WORLD 世界文化遺産 日光東照宮
『眠り猫は眠っているか』
11月28日(土)13:00/17:30
11月29日(日)12:00/16:30
📍日光東照宮 客殿
【脚本】吉田玲子 【演出】岡本昌也
【出演】
#古川登志夫 #関俊彦 #緑川光 #長谷川育美