アメトーーク!【東京吉本芸人の実情〜我々は30年間 間違え続けていたのか〜】の放送から、お笑い界隈ではしばらく話題になっている東京吉本。
僕も26年間お世話になっており、知らない話や懐かしい話が聞けてとても楽しい。
YouTubeやラジオで様々なエピソードを聞いたが、『よしもとギャグライド』の話はまだ入ってきていない(既に誰かがしていたらすみません)。
新宿から中央線に乗って1時間ほどの場所にある昭島駅。
2006年、駅近くにある商業施設に吉本がゲームセンターを作った。その目玉のアトラクションがギャグライドだ。
お客さんを十数人乗せたら満席になる小さな電車が舞台の前までやってきて、芸人がネタをやる。お客さんは電車の中から観覧し、ネタが終わったら電車は出発。1日10ステージ前後あったような気がする。ファミリー層が多く、くまだまさしさん以外は苦戦していた。
夏にはホラーライドと題し、怪談をする企画もあった。
僕はどこでも試したことのない(試す場所もなかった)話を携え、真っ暗な舞台上にひとりスタンバイした。座布団の上でじっと待つ、しばらくすると電車がやってくる。停車し怪談BGMとともにゆっくり明るくなると、初老の男性ひとりしか乗っていなかった。怪談なんかよりも、この状況のほうが怖かった。
この仕事は午前に現場入りして、空き時間は窓ひとつない真っ白な楽屋で過ごし、仕事終わり外に出るともう夕暮れ。昼に支給される、さぼてんのとんかつ弁当が唯一の楽しみ。
一度、ギャグライドに出ていた若手芸人たちで賞金50万円をかけたネタバトルがあった。審査員として来ていた日光の猿が僕らに高得点をつけてくれて優勝できた。その後ギャグライドは廃線。
皆の記憶の彼方に葬られた『よしもとギャグライド』。東京吉本の小さな歴史としてここに記しておく。