国税庁
「話は簡単なんですわ。今までの株価、ちいと安う出すぎとる。儲けも出とる、銭も会社に貯まっとる。それで昔と同じ値段いうんは、筋が通らんでしょう」
経産省
「待てや。お前んとこ、その値札を倍にしたらどうなるか分かっとんのか。親父が死んだ瞬間、跡取りに何億いう相続税が降ってくる会社も出るんやぞ」
国税庁
「それはウチのシマの話やない」
経産省
「……なんやて?」
国税庁
「ウチは財産の値打ちを正しく決めるだけですわ。事業承継を守りたいいうんなら、そちらさんの“事業承継税制”で面倒見たらよろしい」
経産省
「お前な……。国挙げて『稼げ』『投資せえ』『100億企業になれ』『M&Aで大きなれ』言うてケツ叩いといてやな、ほんまに儲かる会社になった途端、
『はい、株価上がりました。相続税も上がります』
て、どういう了見や」
国税庁
「儲かっとる会社の値打ちが上がる。当たり前の話でしょうが」
経産省
「その“当たり前”で会社が売られたり、投資止めたり、跡継ぎが逃げたりしたら誰が責任取んねん」
国税庁
「せやから事業承継税制が――」
経産省
「それで全部救えるんやったら最初から苦労しとらんわ!」
中企庁
「中堅企業はそもそも対象外もあります。中小でも要件、管理、長期拘束……使えん会社はなんぼでもあります」
経産省
「聞いたか」
国税庁
「……それは制度をそちらで直したらええ話ですな」
経産省
「お前んとこが火ぃ付けて、消火器代だけこっちに払わせるんかい」
国税庁
「火やない。“適正評価”ですわ」
経産省
「名前変えたら燃えてへんことになるんか」
国税庁
「ともかく、財産評価は財産評価。産業政策まで持ち込まれたら話がややこしなる」
経産省
「産業政策に直撃する評価制度作っといて何言うとんねん」
国税庁
「本日のご意見は承りました」
経産省
「まだ話終わってへんぞ」
国税庁
「次の議題がありますんで」
経産省
「おい」
国税庁
「では、経産省さんはここで」
経産省
「お前ら覚えとけよ。これ通して会社潰れたら、“評価の話だけです”では済まんからな」
国税庁の「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」において、非上場株式の評価に関する議論が行われています。
中小企業庁・経済産業省は、9月16日に行われた第6回有識者会議において、企業の成長や事業承継への影響を阻害することがないよう意見書を提出しました。